真夜中のギター
家の前の田畑に菜の花が咲き乱れる
春の日に
義母が星になりました
病になってからの晩年
2年間は、
今となっては別れの猶予を
与えられた時間だった様に思います
20年も共にしていれば
実家の親よりも長く一緒にいたわけですから、喧嘩だって沢山しました
その大概が
作った食事に対して
好き嫌いを言われたりなど、
くだらない事で、
お互いが、遠慮なく物を言うタイプだったので(^_^;)
家族には「またやってる…」という顔で交わされ、日常的なものでした
しかし、思い返してみると
義母が私の人間性に対して批判する
事は一度として無く、
ぶっきらぼうな義母でしたが、
大切に思われていた事を今更ながら
痛感しています
義母と私の仲良しの秘訣は
『歌が好き』
な事でした
義母の好きな曲の一つ
『真夜中のギター』は
私が幼い頃、やはり歌好きな両親から
教わり、父の弾き語るギターの横で
小さな私がよく唄っていたのを記憶しています
そして義母にも
『ママはこの歌よく知ってるね、上手だねぇ』と褒めてもらった曲の一つです
納棺の前に
義母の前で言葉の代わりに
唄いました
旅好きな義母は、
2年間離せずにいた
酸素吸入器を外し、
これからは自由になって
彼方此方を旅することでしょう
義母の遺品の一つで
私が御守りとして受け継ぐことにした
高島暦
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